少し前に、デヴィッドリンチ監督の「インランド・エンパイア」を見てきました。
デヴィットリンチ監督といえば、ツインピークスやワイルドアットハート、それからもっと遡ればブルーベルベッドやエレファントマン。
まるで白昼夢を見ているような、不思議な美しさ、世界観。
世界中に熱狂的なファンを持つ、まさにカルトの帝王!
ブライアン・デパルマ監督と並んで、一人で劇場に足を運びたいと思うほど大好きな監督です。
というか、例えばデートでリンチ作品を観るカップルって、二人の趣味が仲良くカルト的なのか、彼氏の選択ミス!かどちらかだと思う。
実際、後者のカップルが、見終わってボ~ゼンと座っている彼女に向かって、
「ごめん・・・」とかいって謝っていた。(笑)
完全に寝てたカップルも発見(笑)
ワイルドアットハートだってけして二人でさわやかに「楽しかったよね~!」って劇場を跡にする映画ではなかったけど、
インランド・エンパイアほどではないと思う。
いかにもシロウトくさい意見だけど、ツインピークスとワイルドアットハートとブルーベルベッドとイレイザーヘッドとエレファントマン・・・・を全部入れ込んでまとめた感じの映画だと思いました。
さっさといえば、なんかもう、ザッツ・デヴィッドリンチ!
時間が交差しちゃって、昨日が今日で明日が過去で・・・
わけわかんなくなってる私を見ている私!みたいな。
そして「あの」色彩の部屋でくつろぐウサギ人間が。あわわわ・・・・
ちなみにウサギ女の声はナオミ・ワッツ。
もったいな~~・・・・・
そして、主演兼プロデューサーのローラ・ダーン。
ジュラシックパークでおなじみのローラ・ダーンは、なんと私と生年月日がばっちり一緒!!
ということもあり、昔から気になる女優さんです。
相手役のニコラス・ケイジの髪がまだフサフサだったワイルドアットハートの頃(1990年)から、まったく変わらぬ雰囲気!
そういえば、気になる女優さんのひとり、シェリリン・フェン主演のボクシング・ヘレナは、本来主演が決まっていたキムベイシンガーが契約違反で740万ドルもの賠償金を支払ったいわくつきの映画として有名ですが、そのボクシング・ヘレナの独特な世界観はデヴィットリンチ監督の娘、ジェニファー・リンチ監督の作品。
しかも急遽代役を務めたシェリリン・フェンは、当時のリンチ監督の彼女だったらしい。
どうりで作品の空気が似てる~・・と思ったものでした。
さて、ローラ・ダーンですが、多少シワが増えたあたりはかえって、ヒアルロン酸注入やらボトックス注射が当たり前のハリウッドにおいてはナチュラルで好感がもてるかも。
そうはいっても、リンチワールドには欠かせない、「女神」「娼婦」「鬼婆」の三種類の女を一人でやっちゃうローラ・ダーンのど迫力にはまいりました。
特に、いかれ頭の鬼婆になっちゃった彼女は、目を背けたくなるようなもの凄さ。
美しい女神のときを演じる彼女とほんとに同一人物?と思ってしまうくらいコントラストがはっきりしていて、凄い女優さんだ・・・・と改めて思いました。
ああ、それはそうと、裕木奈江さんが出演されていました。
最近見かけないと思っていたら、ハリウッドにいらしたとは。
すごい発音の英語でしたが、そこがまた味わいがあってなかなかいい感じでした。
リンチ監督がシネマtodayのインタビューのなかで
「映画は説明を受け付けないものだ。主役は映画であり、言葉ではない。」
と語っているように、いくら語ったところで時間の無駄だわね~。
キモ美しい・・・が好きな方。ぜひお運びくださいませ。
恵比寿ガーデンシネマ他にて上映中。